FXの始め方|口座開設の流れ・必要なもの・最初に知っておきたいレバレッジと損失のしくみ
当サイトは、特定の金融商品の購入や保険の加入を勧めるものではありません。投資には元本割れのリスクがあります。商品の内容や手数料は変わることがあるため、最終的な判断は公式の情報を確かめたうえで、ご自身の責任で行ってください。
FX(外国為替証拠金取引)は、スマホから少ないお金で始められる一方で、仕組みを知らないまま始めると、思った以上に大きな損失が出ることがある取引です。この記事では、FXの口座を開いて最初の取引をするまでの流れと、始める前に必ず知っておきたいレバレッジ・証拠金・ロスカットのしくみを、金融庁と国税庁の資料をもとに整理します。利益を約束するものではなく、FXを勧めるものでもありません。
先に結論
- 始め方:金融庁の登録を受けたFX会社を選ぶ → ネットで申し込む → 本人確認と審査 → 入金 → 少ない金額で取引、の順番です。
- 必要なもの:本人確認書類、マイナンバーがわかるもの、入出金に使う自分名義の銀行口座。
- レバレッジ:個人は取引金額の4%以上の証拠金が必要です(25倍まで)。これは法律で決まっている上限で、会社が勝手に高くすることはできません。
- いちばん大事な注意点:相場が急に動くと、預けた証拠金より大きな損失が出ることがあります。生活費や、近いうちに使う予定のお金は使わないでください。
- 税金:国内の登録業者との取引の利益は「先物取引に係る雑所得等」として、所得税15%と住民税5%の申告分離課税です(ほかに復興特別所得税)。
FXとは
FXは、米ドルやユーロなどの外国のお金(通貨)を、日本円などと交換する取引です。たとえば「1ドル=150円」のときに米ドルを買い、「1ドル=151円」になったときに売ると、1ドルあたり1円の差が利益になります。逆に「1ドル=149円」になってから売ると、1円の損になります。
国税庁のタックスアンサーNo.1521では、FXを「外国為替(外国通貨)の売買を、一定の証拠金(保証金)を担保にして、その証拠金の何十倍もの取引単位(金額)で行う取引」と説明しています。株式と大きく違うのは、この「証拠金を担保にして、それより大きな金額を取引する」という点です。
FXで損益が出るのは、主に次の2つです。
- 為替の差:買ったときと売ったときの値段の差。FXの損益のほとんどはこれです。
- スワップポイント:2つの通貨の金利の差から生まれる受け取り・支払い。金利の低い通貨を売って高い通貨を買っていると受け取れることが多く、反対の組み合わせでは支払いになります。金額は毎日変わり、受け取りが支払いに変わることもあります。
また、「買い」から入るだけでなく、「売り」から入ることもできます。値下がりすると思えば先に売っておき、下がったところで買い戻すと、その差が利益になります。上がっても下がっても利益を狙えるということは、反対に、上がっても下がっても損をする可能性があるということです。
レバレッジと証拠金のしくみ
FX会社に預けておくお金を「証拠金」といいます。FXでは、この証拠金を担保にして、証拠金より大きな金額の取引ができます。証拠金の何倍の取引をしているかを「レバレッジ」といいます。
金融庁の案内では、個人がFXをするときは、通貨の組み合わせに関係なく、取引金額の4%以上の証拠金を預けて、それを保ち続ける必要があるとしています。レバレッジに直すと25倍までです。
上の図のように、1ドル=150円のときに1万ドル(150万円分)を買うには、4%の6万円の証拠金があれば取引できます。このとき、為替が1円動くだけで損益は1万円動きます。6万円に対して1万円ですから、預けたお金の約17%が1円の動きで増えたり減ったりする計算です。
大事なのは、レバレッジは「必ず25倍で取引しなければならない」ものではないということです。同じ1万ドルを買う場合でも、証拠金を150万円入れておけば実質的なレバレッジは1倍になり、1円動いたときの損益の割合は小さくなります。実際にどれくらいのレバレッジになっているかは、「取引している金額 ÷ 口座に入っているお金」で計算できます。最初は、この実質的なレバレッジを低く抑えることが、いちばん確実なリスク対策です。
預けたお金以上に損をすることがある理由
金融庁は、FXについて「比較的少額で取引できる反面、差し入れた証拠金以上の多額の損失が生じるおそれのある非常にリスクの高い商品」と注意を呼びかけています。
FX会社は、損失がふくらみすぎないように「ロスカット」というルールを決めています。評価損が、あらかじめ決められた水準に達すると、FX会社が持っているポジションを強制的に決済して、取引を終わらせる仕組みです。ロスカットの水準は会社ごとに違うので、口座を開いたら必ず確認してください。
ただし、金融庁の案内にもあるとおり、相場が急に大きく動いたときは、ロスカットが間に合わず、証拠金を上回る損失が出ることがあります。たとえば、週末のあいだに大きなニュースがあり、月曜日の朝に値段が大きく飛んで始まった場合などです。このとき、足りない分は「不足金」として、あとから払わなければなりません。
また、ロスカットの前に、証拠金が一定の水準を下回ると「追加で入金してください」という連絡(追加証拠金、追証)が来る仕組みの会社もあります。入金できなければ、ポジションは決済されます。
FXを始めるまでの流れ
- FX会社を選ぶ:まず、金融庁の登録を受けた会社かどうかを確認します(次の節)。
- ネットで申し込む:氏名・住所・職業・年収・金融資産・投資の経験などを入力します。FXは、投資の経験や資産の状況によっては、口座を開けないことがあります。
- 本人確認:スマホで本人確認書類と顔を撮影する方法なら、郵送物を待たずに手続きが終わる会社が多いです。
- 審査:FX会社が申し込みの内容を確認します。早い会社では、申し込んだその日に終わります。
- ログインして入金:IDとパスワードが届いたら、取引画面にログインして、自分名義の銀行口座から入金します。
- 取引のルールを確認してから注文:ロスカットの水準、最低の取引単位、取引できる時間を確認します。最初は、最低単位の小さな金額で、実際の値動きと損益の出方に慣れるのがおすすめです。
申し込みのときに書く「投資の目的」や「投資の経験」は、正直に書いてください。金融商品を売る会社には、お客さんの知識や経験、財産の状況に合わない勧誘をしてはいけないというルールがあり、審査はそのためのものです。
必要なもの
| 必要なもの | 具体例 |
|---|---|
| 本人確認書類 | 運転免許証、マイナンバーカードなど |
| マイナンバーがわかるもの | マイナンバーカード、通知カード(記載内容が今と同じ場合)、マイナンバーが書かれた住民票の写しなど |
| 銀行口座 | 入金と出金に使う、自分名義の口座 |
| メールアドレス・スマホ | 手続きの連絡、取引アプリの利用 |
使える書類の組み合わせは会社によって違います。申し込みの画面で確認してください。
FX会社を選ぶときに見る点
1. 金融庁の登録を受けているか
FXは、金融商品取引法の登録を受けた業者でなければ、日本に住む人を相手に営業することができません。金融庁は、登録を受けていない業者からの勧誘に注意するよう呼びかけています。登録のない業者と取引すると、トラブルがあっても責任を追及するのはとても難しくなります。会社のサイトの下のほうに「関東財務局長(金商)第○○号」のような登録番号が書かれているか、金融庁の登録業者の一覧に載っているかを確認しましょう。
2. 預けたお金がどう守られるか
金融庁の案内では、FX会社は、万一つぶれた場合でもお客さんの資産を守るために、預かったお金を信託銀行などに信託して、会社自身のお金と分けて管理すること(信託保全)が求められているとしています。どこの信託銀行で管理しているかは、各社のサイトで公開されています。
3. スプレッドと手数料
FXの画面には、買うときの値段(Ask)と売るときの値段(Bid)の2つが表示されていて、この差を「スプレッド」といいます。取引手数料が無料の会社が多いため、スプレッドが実質的なコストになります。注意したいのは、各社が表示しているスプレッドは「原則」や「基準」の値で、早朝や経済指標の発表の前後、相場が荒れているときには広がることがある点です。
4. 最低の取引単位
1,000通貨単位から取引できる会社と、1万通貨単位からの会社があります。1ドル=150円のとき、1,000通貨なら15万円分、1万通貨なら150万円分の取引です。少額で始めたい場合は、最低単位の小さい会社のほうが、実質的なレバレッジを低く抑えやすくなります。
5. 取引アプリとサポート
スマホだけで取引する人が多いので、アプリでロスカットの水準や損益が見やすいか、注文の取り消しが迷わずできるかは大切です。困ったときに電話やチャットで聞けるかどうかも、初心者には安心材料になります。
| 見る点 | 確認するところ |
|---|---|
| 登録 | サイト下部の登録番号、金融庁の登録業者一覧 |
| 信託保全 | 信託先の銀行名と、全額が対象かどうか |
| コスト | スプレッド(広がる条件も)、各種手数料、スワップポイント |
| 取引単位 | 1,000通貨か1万通貨か |
| ロスカット | 何%で強制決済になるか、追加証拠金の有無 |
| アプリ・サポート | 画面の見やすさ、問い合わせの方法と時間 |
FX口座の例:DMM FX
国内のFX口座の一つに、株式会社DMM.com証券の「DMM FX」があります。公式サイトに書かれている主な内容は次のとおりです(2026年11月6日時点)。
- 手数料:取引手数料のほか、アカウントの維持手数料や出金手数料などがかからない。
- 証拠金:個人アカウントは、取引の額に対して最低4%以上の証拠金が必要(法律の上限と同じ25倍まで)。
- 手続き:最短手続きで本人認証が終わった場合、申し込みから登録審査の完了までが最短即日(休業日や申し込み内容に不備がある場合を除く)。
- 問い合わせ:電話・メールに加えて、LINEでの問い合わせに対応。
- スプレッド:公式サイトでは、表示しているスプレッドは固定ではなく、相場の急変時や流動性が下がる時間帯、経済指標の発表前後などには広がることがあり、その上限は決まっていないと説明しています。
DMM.com証券は、関東財務局長(金商)第1629号の登録を受けた金融商品取引業者です。公式サイトでも、FXは元本と利益が保証されたものではなく、損失が預けた証拠金の額を上回るおそれがあると明記しています。申し込む前には、契約締結前交付書面などで、取引のルールとリスクを必ず確認してください。くわしくはDMM FXの公式サイトをご覧ください。
始めたばかりの人がやりがちな失敗
- 入金した金額いっぱいまで取引する:25倍ぎりぎりで取引すると、少しの値動きでロスカットになります。実質的なレバレッジは低く抑えます。
- 損切りを決めていない:「そのうち戻る」と待っているうちに、損失が大きくなります。注文と同時に、どこで損失を確定するか(逆指値)を決めておく方法があります。
- ナンピン(買い増し)をくり返す:値下がりするたびに買い足すと、ポジションが大きくなり、さらに動いたときの損失も大きくなります。
- スワップポイントだけを見て選ぶ:スワップポイントが高い通貨でも、為替の値動きでそれ以上の損をすることがあります。
- 「必ず勝てる」という話を信じる:FXに必ず利益が出る方法はありません。SNSなどで高額な情報商材や、登録のない業者に誘導する話には注意してください。
FXの税金
国税庁のタックスアンサーNo.1521によると、国内の登録を受けた業者(第一種金融商品取引業者など)とのFXで出た利益は、ほかの所得と分けて「先物取引に係る雑所得等」として、所得税15%(ほかに地方税5%)の税率で課税されます(申告分離課税)。所得税には、このほかに復興特別所得税がかかります。
- FXの損失は、ほかの「先物取引に係る雑所得等」の利益と通算できます。
- それでも引ききれない損失は、一定の要件のもとで、翌年以後3年間の「先物取引に係る雑所得等」から差し引けます(確定申告が必要)。
会社員でも、FXの利益の額によっては確定申告が必要になります。申告が必要かどうかの判断は、国税庁のサイトや税務署で確認してください。
よくある質問
Q. FXはいくらから始められますか?
最低の取引単位と、その時の為替の値段によって決まります。1,000通貨単位の会社で1ドル=150円のとき、15万円分の取引に必要な証拠金は4%の6,000円です。ただし、ぎりぎりの金額で始めると、少しの値動きでロスカットになるので、必要な証拠金よりかなり多めに入れておくのが一般的です。
Q. 24時間取引できますか?
為替は世界中で取引されているため、平日はほぼ24時間取引できます。ただし、土日や年末年始は止まり、会社ごとに取引できない時間(メンテナンスなど)があります。
Q. 損失が証拠金を超えたらどうなりますか?
超えた分は不足金として、FX会社に支払う必要があります。急な値動きでは、ロスカットがあってもこうしたことが起こりえます。
Q. FXと株式投資はどちらがいいですか?
目的によって違います。FXは、短い期間の為替の値動きを取引するもので、レバレッジがかかる分、損益の振れ幅が大きくなります。長い期間かけて資産を育てたい場合は、NISAなどでの株式や投資信託の積み立てを先に検討する人も多いです。
まとめ
- FXは、証拠金を担保に、その何倍もの金額で通貨を売買する取引
- 個人のレバレッジは25倍まで(取引金額の4%以上の証拠金)。実際のレバレッジは低く抑えるのが基本
- 相場の急変では、ロスカットがあっても証拠金以上の損失が出ることがある
- 始め方は「登録業者を選ぶ → 申し込み → 本人確認・審査 → 入金 → 少額で取引」
- 会社選びは、登録・信託保全・スプレッド・取引単位・ロスカット・アプリを確認
- 利益は申告分離課税(所得税15%+住民税5%、ほかに復興特別所得税)
出典:金融庁「いわゆる外国為替証拠金取引について」/国税庁 No.1521 外国為替証拠金取引(FX)の課税関係/DMM FX 公式サイト